Marina’s blog

マレーシアの大学で日本語を教えている協力隊のブログです

最後の学期

マレーシアは今週月火祝日のため4連休中です。

 


しばらく離れていましたが、協力隊の任期は残り4ヶ月となり、今週からは協力隊として関わる最後の学期が始まります。

 


自分の話をする前に、マレーシアの大きな動きとして、5月の下院選挙で92歳のマハティール氏率いる野党が勝利し、歴史的な政権交代が起こりました。間違いなく任期中の最大のニュースでしょう。親日派として有名なマハティール首相が勝利したことは、マレーシアの日本との外交が強化されることは予想できるし、さらに、配属先は東方政策の集大成という位置付けで創設された教育施設であるため、関わりは少なからずあるだろうと大学の中でもそんなムードは感じられました。

 


また、今年の初めに遡りますが、配属先の院長が変わっていました。ちゃんとご挨拶できたのは2月後半だったでしょうか。新しい院長は日本での滞在経験があり日本語が話せる方で、日本語や日本の文化を学ぶことの重要性に理解のある方なので、大学内での日本語教育や日本文化深化にも前向きな姿勢をお持ちなのがわかり、希望を感じていました。

 


トップが親日派に変わり、配属先も国も環境がちょっとずつ変わってることを少し実感してきた2018年も、もう9月。

 

 

 

私の話に戻ると、前の学期が終わってからの大まかな流れとしては、6月にハリラヤ(断食明けのお祭り)があり、7月にボランティア総会があり、8月に一時帰国+家族とマレーシアを旅行して、今に至ります。

2ヶ月超の学期休み期間中、たくさん休ませてもらいました。マレーシアは国内だけでも楽しめる場所が本当にたくさんあって、協力隊の任国としては最高だと思います(自慢)

 

遊んでいただけだと怒られてしまうので付け足すと、休みの間も日本語のクラスを行なっていました。

 


もともと前の学期に行う予定だった大学のスタッフさん向けのクラスが後ろ倒しで学期末から始まりました。これは新しい院長の要望で約2年ぶりに復活したクラスなのですが、いろいろと問題がありながらも最終的にはうまくいきました。

初めのうちはスタッフさんが遅れてくる、何かしらの理由で休む、注意しても変わらない、集中力がない、そんな人ばかり。カウンターパートと共に「学生より大人の方が大変ですね」と呆れていたのですが、カウンターパートが辛抱強く接することで、全員ではないですがまじめに受ける人が増え、結果的に残った人たちとは楽しく勉強でき、雰囲気の良いクラスになったと思います。

スタッフさんの日本語力向上はもちろん、時間を守ることや礼儀などの意識も伝わったのではないかと思うし、日本語教師とスタッフさんとの大学内での会話も増え、環境整備の面でも成果があったと思います。

 


他にはマレーシア工科大学が提供する社会人向けの週末の日本語授業の代行したり、個人的に友達に試験対策の勉強を手伝うなど、配属先外で教える機会もありました。こうして休みの間も日本語を教えることに触れながら過ごせたことは、次の学期を始めるにあたって良かったなと思うことです。

 


日本語授業以外で今配属先で動いていることは、日本語・日本文化センターの設立です。配属先には組織的に日本語教育を行うユニットがないことは前も書いた気がしますが、これに関して新しい院長の力と、良いタイミングが訪れたことで、場所としてセンターができることが決まりました。完成すれば、学生に対するヘルプデスクや、文化活動の場として使うことができます。9月後半に開催する大学祭に合わせてオープンできるようにと急ピッチで決まったことなので、まだ心配な部分もありますが、このタイミングで乗っかることができ良かったです。

このセンター設立については、ずっと熱望していたカウンターパートが本当に喜んでいて、センター設立以上に、カウンターパートの努力が報われたこと、それが私は嬉しかったです。

 


スタッフクラスの復活も、日本語・日本文化センター創設も、新しい院長の力(とマハティール首相の影響?)が大きく、やはり政治だなぁと思うこともありますが、こういったタイミングを生かさない手はありません。配属先の日本語教育を盛り上げていくことができる良いチャンスです。

 


同時に思うのは、何かやりたくてもタイミングがかなり左右すること。そして、好機を捕らえるためには、結果に繋がるか分からなくても準備しておくこと。何が好機につながるか分からないのならばあらゆる方向から繋がりを築いておくこと。

うまくいかないことも多いですが、こういったことが今の活動先では必要なことが多い気がします。


なんかちょっと大きい話になりましたが、配属先の日本語教育環境は良い方向には進んでいるはず!もちろん改善できること、やるべきことはまだまだありますが。

泣いても笑っても自分の任期は残り4ヶ月。ここぞというときに力を発揮できるよう準備しつつ、呑気に構えて、今できることをしながら、楽しく過ごせたらと思います。

 


任期終了まで、今学期のことも(また気まぐれになりますが)ちょっとずつ書き残せていけたらと思います!

 

2017/2018 sem2の感想

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今週で1学期間担当した必修の日本語授業が終わり、今学期の山を越えました。


今学期は新しくボランティアが必修の授業を担当することになり、昨年とは内容、使う時間、関わる人、全てにおいて活動がガラッと変わったものになりました。毎週5種類のクラス(日本語1、日本語3、大学院、N4、N3)+隔週の2種類のクラス(会話クラス、インターンクラス)はさすがに欲張りすぎて、準備が追いつかないこともあり、やりきったと言えない部分もありますが、全部やりたかったことなので後悔はありません。なんとか無事終われたのも、いつものように頼りになるカウンターパートの先生がいてくれたこと、馴染みの先生と同僚に相談させてもらったこと、そして新しい後輩隊員2名が頑張ってくれたおかげです。

この1学期は、大学生に対する学生指導とは何か?ボランティアの役割とは何か?そんなことを考えさせられる場面が多かったです。
特に1年生の学生たちは子供と大人の中間のような年齢で、遅刻や欠席に関してこちらが口酸っぱく注意するべきなのか難しいところでした。欠席についてあとでクレームを言われた時の証明になるように警告書を渡すなど、教師の責任と学生の責任というものが、日本とは少し違うのかなと思ったりもしました。教師が厳しくなることが、逆に学生に対して甘くなる(自分で考える機会を奪う)結果になっている気がしました。

授業にだんだんついて来られなくなった学生には、本当に難しい理由(媒介語の問題、健康上の問題)がある人と、授業をサボったりとやる気のない学生とがいて(だいたい後者)、そのどちらにも、そしてもちろんやる気があってよくできる学生にも、なるべく良い結果になるように対応していかなければならない。これは必修ならではの難しさかなと思います。ともかく一番は日本語を楽しんでもらうことを考えてきたので、それだけは伝わっていればいいなと思います。

日本語がみるみるうまくなっていく学生の成長を見て嬉しくなったり、上手に嘘をつく学生やカンニングの多さにがっかりしたり、遅刻や欠席の理由に呆れたり、遅れ気味だった学生が個別の補講で日本語に興味を持ってくれるようになったり、いつもサボっていた学生が最後はちゃんと立派なロールプレイを準備してきたことに安心したり…と、喜怒哀楽の学期でした。

これまで配属先にはずっと組織や人間関係の課題があり、今回必修の授業が持てたことそれ自体は私たちが配属先の日本語教育を知る上で素晴らしい進歩ではありました。しかしこの役割がボランティアがやることとして適切なのかはやはり疑問があります。
そもそも今回私たちが授業を受け持つ事になったのは、教師不足の問題があったからです。本来なら新しい先生を雇うべきところを、無給のボランティアがいるから任せられたらラッキーと、声がかかったのでした。2年でいなくなるボランティアで今をつなぐよりは、ちゃんと教師を雇って継続的に日本語教育をしていくべきことは誰でもわかっているはず。でもやっぱりお金が問題なのです。

また今回必修を受け持ったことで学生に関わる機会は増え、ボランティアとして全体の日本語学習の底上げには少しは役立てたかもしれません。しかし必修のクラスに重心を置くことになったことで、本来ボランティアに求められているはずの、本当に日本語を学びたい意欲のある学生に対する支援があまりできませんでした。
欠席の多い学生のために警告書を作る時間が、日本への就職を目指す学生のレジュメをチェックする時間より優先されている状況でした。(私のタイムマネジメントの問題かもしれませんが…)

配属先と学生の未来のための正しい選択、ボランティアの関わり方についてらこれからしっかり考えていかなければいけません。

 

いろいろなことがあった4ヶ月間でしたが、一番良かったことは、たくさんの日本人の方に活動を見てもらったり、学生と交流してもらえたことです。日本語を教える人はいても、自分が繋げられる今ここでの縁は今ここにしかないからです。
来てくださった東大の学生の皆さん、筑波大の実習生の皆さん、マレーシア、タイ、ラオスのボランティアの皆さんには本当に感謝しています。

 

そしてなんだかんだ問題はありますが、授業で学生と接している時間は本当に楽しくて、学生がこちらの気持ちに応えてくれたときの感動は、どんな疲れや辛さよりも勝るものだということも感じました。そんな教師という仕事の楽しさもたっぷり味わいました。かわいい学生たちに感謝です。

 

また今学期は常にせわしい状態ではありましたが、ミリ、タイピン、ゲンティンハイランドやインドネシアのリアウにも行けて、各所でそれまでの疲れを癒し、自分の世界だけで凝り固まった頭を解放することができて良かったです。友達もたくさん来てくれたので、また少しKLについても詳しくなりました。

 

これから一時帰国までの2ヶ月半の目標は、残りの授業を続けながら上に述べたような今学期の反省を一つずつしていくことと、先延ばしにしてきた語学の勉強に取り組むこと、落ちた体力を取り戻していくことです。笑

 

まずは少しだけリフレッシュしに約5年ぶりのクチンに行ってきます!

Week5 / 実習生の訪問

今学期の学部授業も3分の1まで来ました。この5週目は私のこれまでの活動の中でも大きな週となりました。

 

K先生の訪問

木曜日は学部の日本語授業を担当しているランゲージアカデミーの日本語部門トップのK先生がJBキャンパスからKLキャンパス(MJIIT)へ視察へ来られました。しかし、見学を予定していた授業は前日に急に決まった高等教育省の訪問により、(学生がそのイベントに参加するため)キャンセルとなりました。。この分の時間で、JOCV2名とK先生で授業に関する話し合いを行いました。

K先生は5年前の実習時代からお世話になっているインド系の現地の日本語の先生で、日本の大学の先輩でもあります。私が赴任してから、こちらのランゲージアカデミーの先生方との交流が増えたのも、実習時代からのK先生とのつながりのおかげ、という部分は少なからずあると思っています。そんな心強いサポートをいつもしてくださっている大先輩です。

今回授業を見てもらうことはできませんでしたが、この4週間ほどで学部授業を担当して感じたことを意見交換させていただきました。例えば現在使っている教材やテストなどのこと。MJIITの学生が学ぶものとしてはどうなのかなと思う語彙やテストの設問などがあると思っていたのですが、それをこれまでずっとやって来たこちらの先生に直接言うにはまだ心と時間の余裕がなかったので、今回K先生に共有し意見を仰ぎました。先生も私たちの意見に共感してもらえた部分があったようです。教材の見直しを含めた授業の検討会を、今学期が終わったら一緒に行いましょう、というご提案をいただきました。これは配属先の日本語教育に関わる大きな前進!とても嬉しかった。

 

大学の後輩の訪問

そして金曜日は、大学の後輩4名がKL見学の一部でMJIITの訪問に来てくれました。私が5年前に参加したJBでの日本語教育実習に今年参加している学生さんたちです。これまでの実習のプログラムでは毎年マラッカ見学が組まれており、KLへ来ることはありませんでしたが、昨年11月に先輩隊員と一緒にJBキャンパスへ遊びに行った時に、K先生とのお話の中で「次の実習生には、みなさんの活動を見に、KLへ行って、交流をしてもらいましょうか」という話が上がりその場で約束できたことでした。

それが現実となりました。なかなか口では言ってくれても実行してもらえないということはこの国ではよくあるので、あまり期待しすぎないようにと思っていましたが、しっかりと考えていてくださったこと、その気持ちがとても嬉しかった。

実習生の滞在はたった半日でしたが、私の活動について簡単に話し、学部授業の見学と、MJIITの学生との交流をしてもらうことができました。今年の夏につくば市インターンに行く学生が3名いるので、その3名とは少し時間をとって話してもらいました。

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自分がかつて参加し、その後を左右することになったJB実習ですが、この4名にとってどのような意味をもたらすのかは分かりません。MJIIT訪問を通して何かが心に残ったり、知り合った学生とのつながりが続いて行ったらいいなと思います。日本語を教えること自体もそうですが、いろんな可能性を学生の中に小さな種として撒いていくことは教師のやりがいであって、希望です。

とくに人と人とをつなぐことは、自己紹介で自分の名前の話をするとき話していることですが、協力隊員としてだけでなくプライベートでも目標として掲げてきたことなので、今回は達成感と少しの感動がありました。実際は目標という意識的なことでなく、自分が人と人をつなぐことが好きなので、そういう方向に物事を進めたくなるだけです。

今回もMJIITの学生と日本の学生が一緒に話しているときの、緊張感とか期待感、教室にパーっと響く笑い声。それを聞いて幸せを感じている自分がいたので、これからも人と人とのつながり作りには貪欲に取り組んで行こうと思いました。

 

Week4 / 日本語教育セミナー

Week 4

今学期4週目の先週は日本語能力試験(JLPT)対策のクラスが開始しました。

今学期のJLPTクラスは約100名が登録。N5とN4が約40名ずつで、N3が約20名、N2希望も数名いました。毎回人数が増えていて、ニーズの高まりを感じます。

体系づくりを始めた前学期から改善したのは、まずコース登録のしかた。以前はメールで1人1人連絡をもらっていたのですが、今回はGoogle formを使ってまとめがかなり楽になったのと、formの中にJLPTなどに関する質問を入れることで、今まで取れていなかった学生の日本語力や学習経験などのデータを取れるようになりました。

もう一つは、授業の時間を固定したこと。前の学期は、それぞれのクラスの学生と相談して一番良い時間を決めていたのですが、学生の増加に伴い今学期は学生の授業が基本的に少ない水曜の夕方と木曜と金曜の午後に固めてもらいました。今学期はJOCVが学部必修の担当になったこともあり、課外クラスを入れられる時間があまりなかったので、時間を固定することで時間調整の煩わしさがなくとても良かったです。前の学期は時間調整がとにかく一番大変だったので、この件を提案してくださった先輩とカウンターパートの先生に感謝です。

私はN4とN3、12月の受験を目標にする通年のクラスを担当することになりました。なのでうまくいけば来学期、きりよく帰国前まで同じ学生を教えられます。

前の学期のJLPTについて振り返ると、N5クラスはうまくいっていた(学生もほぼ欠けず、受験までの時間管理ができ、結果も良かった)のですが、N4クラスはうまくコントロールすることができませんでした。個人のレベルの差に対応できず、レベルを下に合わせてしまった結果、本来のスケジュールから遅れ、できる人をだらけさせてしまいました。予定していた範囲も終わらなかったし、結局学生も減ってしまった。クラスのレベルというのは、予めちゃんと設定した上で、下(勉強してない人)に合わせすぎてはいけないということを学びました。語彙や練習が足りない人には、宿題や個別で対応するべきでした。

今学期はその反省を肝に命じて、見直したスケジュールに沿って授業を行うことが目標です。

限られた時間の中で、重要な学習項目に対してどんな練習方法を考えられるか、効果的かつモチベーションをさげない適度な宿題の出し方、少ない時間の中にどれだけ楽しめる要素を入れられるか、このあたりが工夫のしどころかなと思います。でもまだ自分でもうまく説明できない部分もあり、教案を考えながら自分も勉強しています。こんな状態ではなかなか楽しめる内容、なんていうところまで行くのは難しいなぁ。

 

そんなことを考えていたところで、この土曜日はマラヤ大学で行われた国際交流基金クアラルンプールの日本語教育セミナーに参加して来ました。

今回はイギリスのカーディフ大学の日本人教授による、タスク主導の言語教育がテーマのセミナー。

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タスクとは、課題のこと。ドリル(代入練習など)や自由度の低い機械的な練習とは違って、ある課題に取り組むプロセスの中で、必要な語彙や文法を使用していくものです。タスクを行うことで学習者のモチベーションを高めたり実践的な言語の習得が期待されます。

 

タスクを授業に組み込むことは、時間や教師のその課題に対する知識やキャパシティなどの制限がありますが、自由な中で学習者が言語運用していくのは理想的だなーと思いました。セミナーではグループワークを通してタスク主導の授業の組み方を考えました。用意されたモデルに当てはめて考えると、やはりとても教案を練りやすかったです。お互いのアイディアにコメントをつけたのですが、普段授業にコメントをもらう機会は少ないので、同じ日本語教師の方から意見をもらうのはすごく嬉しいことだと感じました。

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今の大学のクラスはかなりカリキュラムがきつく時間がない状況なので、実際に自由度の高いタスクをどれだけ授業に組み込めるか分かりませんが、今回勉強になったことをぜひいつか実践したいです。

また今回のセミナーの教授の言葉で印象に残ったのは、(私のような)経験の浅い教師は、初級の学習者と日本語で長く話すことができるようになると日本語教師としての成長につながる、というお話でした。今はどうしても英語に頼って(学生もわたしも)会話してしまうけど、日本語だけで話す機会を作れたらほんとにいいなと思います。

 

Week3

あっという間に3月、今日はひなまつりですね。桜餅食べたい。ISETANに行けば売ってそうだけど、今日はソファから離れられません。久しぶりに一歩も外に出ない休日。

 

大学院クラス

今週は、学部授業の他に、大学院の授業の担当がありました。大学院クラスを見るのは今学期で3学期目、教えるのは2学期目なので準備などは以前よりも少し余裕がでてきましたが、「まるごと」を使った授業は何回やってもこのやり方が正解がなのかわからず難しいです。

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とくに今回の大学院の学生はイランとイラクの女性がおり、この2人は他のマレーシア人学生よりも音声的な問題か理解がゆっくりで、少し心配しています。注意してゆっくりやっているつもりですが、教科書のどこをやっているかわからなくなっていたり、練習した質問で「おしごとは?」ときいても、Sorry, what does that mean?と聞かれたり。母語の影響か、日本語の発音が頭に入りにくいのかもしれません。それかローマ字を読むということに慣れていないのかも。あとは何人かのマレーシア人学生には日本語を勉強したことがある人がいるので理解が早く、それが不安要素になっているのかもしれません。

2人とも愛想が良く一生懸命なので何とか楽しめるようになってほしい。カウンターパートが担当する回にはできるだけ一緒に入って近くでサポートしていきたいです。

 

東大生の授業参加

ところでこの2週間は東京大学の学部生が授業に参加してくれていました。

MJIITへはロボット関係のプログラムで来た6人の1年生で、プログラム自体が夕方なので、日中は日本語の授業をお手伝いしながら学生と交流したいという要望があり、私の学部クラスと大学院クラスに入っていただきました。

天下の東大に現役合格した学生さんに授業を見られるのは緊張しましたが笑、とても協力的で礼儀正しく、英語もよくできるので、お手伝いしてもらってとても助かりました。日本語1のクラスでは文字をやっていたので、正しく書けているか見てもらったり、自己紹介の練習相手になってもらったり、読めるようになったカタカナで書かれた単語の意味を「すみません、〜は何ですか?」の形で聞く活動などをしました。

日本語3のクラスでは、みんなの日本語17課のない形の練習や、練習Cの会話に参加してもらいました。このクラスは15名しかいないので、少人数で話すことができ、回を重ねるごとに親密度が増していきました。3回目の終わりには肩を組んで写真を撮るくらい仲良くなっていて、とても嬉しかった。この出会いもきっと学生の日本語学習のモチベーションになってくれるんじゃないかと期待しています。東大の皆さんにとっても、日本語教育や、マレーシアの学生に接することで何か得られたことがあれば良いなーと思います。

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出会いを作るということ

教師以外の日本人に会って話す機会、というのはクアラルンプールであっても学生にはほとんどありません。

私は大学1年生で初めて一人暮らしを始めた時、宿舎の隣の隣の部屋に住んでいたチュニジアからの留学生と英語で会話したときのことを今でも忘れません。廊下で挨拶をしてから、一回勇気を出して地元のお土産を渡しに行ったのがきっかけでした。そのあと手作りのチュニジア料理をお返しに持って来てくれて、それからも洗濯機の100円がないから貸してほしいと1万円を持って来たり笑、部屋でお茶したりした。あのときの言葉が通じたときの嬉しさとか、逆に通じないもどかしさとか 世界が広がる瞬間だった。その頃はまだSNSとかも使ってなくて今彼女がどこにいるのかは知らないけれど、今思えば初めて話したイスラム教徒も彼女だし、コーランやお祈りのことを直接教えてくれたのも彼女だった。いくら教科書で習っていても、実際に話すこと触れることのインパクトってすごく大きい。

 

今学期は何回か外部から来た日本人に授業に入ってもらう機会を作れそうです。私の立場では学生に日本語を教えることで今は精一杯ですが、いろんな人や文化に触れる機会を作ることは教師としても協力隊としても活動の醍醐味です。

日本語はいわばその1つの鍵。

東大の学生と一緒に嬉しそうに写真に写る学生を見てその気持ちが強くなりました。

Week2 / タイピン

2週目はまだ学生が安定せず、学生が帰省から戻ってきたり、別のクラスから移って来たり、逆に移って行ったり、、これが本当に教師泣かせ。

今週からやっと学生が安定するかと思うとホッとします。そのまえに2週目の振り返りを。

 

日本語1

学部授業の日本語1のクラスでは、日本語の文字についての説明のあと、カタカナの練習に入りました。授業管理者のUTMの先生はひらがなから行なっていますが、私は実験的にカタカナから。理由は4つです。

①まず名前を書けるようになってほしい

②私も早く学生の名前が覚えたい

③カタカナの方が書くのが簡単

④クラスのメンバーが安定してから、より使用頻度の高いひらがなを落ち着いて勉強したい

…ということで学生も納得してくれて始めたのですが、この判断が良くなかった点も。私のクラスから別のクラスに移る学生がおり、カナカナ半分やってひらがなのクラスに行かなければならず、学生にも移動先のクラスの先生にもかわいそうなことをしてしまいました。次の学期の反省点。(そもそも大学のスケジュールと履修の問題さえなければいい話なんだけど)

そしてこの週が初回だったもう1つの水木のクラスも始まりました。こちらは男子学生が多く、なんとなくやんちゃ坊主が多い気がします。

これで日本語1の2クラスがようやくスタートを切りました。文字を教えるのは体力を使いますが、私は結構好きです。2回目のクラスで、学生のノートを見たら、自分で練習や予習してくれてる学生も結構多くて嬉しくなりました。

 

日本語3

先週は6人だけだったクラスは今週からメンバーが揃ってきました。女の子が3人であとの12人は男の子。今週は「みんなの日本語」17課ですが、用意していった内容が少し難しかったようで(習った語彙をかなり忘れちゃっている…)、やりたいこと以前の問題でひっかかり、あまりうまく行きませんでした。語彙を復習、導入する時間がないので、来週は授業で使う語彙を事前にリストにするなどして対応してみたいと思います。

 

大学院クラス

今学期の大学院クラスもスタートしました。いつものようにカウンターパートの先生のブリーフィング、そして初回の授業。

今学期のメンバーには、インドネシア、イラン、イラク、アフリカの方もいて、前よりも国際色豊かなのと、おじさん率が高め(とかいって同い年とかだったらどうしよう笑)。毎回面白い人が多い大学院クラスですが、今学期も楽しくなりそうです!

 

 

♪タイピン♪

今週末は授業のない金曜日に休暇を取り、旧正月で帰省中の友達を訪ねて、ペラ州はタイピンへ行ってきました。クアラルンプールからはマレーシアの新幹線?ETSという電車で約3時間。タイピンは中華系の多い古都で、大好きな町。3回目の訪問になります。

 

Bukit Larut

今回の目的1は、Bukit Larutという山を登ること。ここはマレーシア初の高原リゾートで、イギリス統治時代の19世紀に開発されました。

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気軽に登れる標高1036m地点まで、舗装された道路をゆっくり歩いて登りました。片道約10キロの道のり。行きは休み休みで3時間半、帰りは軽いジョグも入れて1時間40分くらいで降りてきました。

上に休憩できるカフェがあると信じて、登っていたのですが、なんと!金曜日定休。笑 さすがに3時間以上登り坂を登って疲れていたので、ショックが大きかったですが笑、雨も降りそうだったので少し休憩して早めに降りようということになりました。お水がなかったので、近くのバンガローの従業員っぽいお兄さんに事務所の水を恵んでいただきました。これは本当に助かった。

早朝登りに行く人が多いようで、日が昇ってからは車の行き来がたまにあるものの、ほとんど人を見かけませんでした。車は一般車は通れず、観光客向けのものが出ていますが結構チケットが売り切れるらしい。途中滝などもあり、ハイキングや朝の運動にとてもいい山でした。

 

目的2は、友達の村で旧正月9日目のお祝いを見ること。8日目の夜が盛り上がるということで、金曜の夜は友達の実家で過ごさせてもらいました。友達の村はKuala Sepetangというタイピンの市内から車で30分ほど海側に行ったところ。

Matan Mangrove Forest 

その村の入り口付近には、マタンマングローブ保護区、チャコールファクトリー(木炭工場)があり、そっちも少し見に行きました。知らなかったのですが、このマングローブ園はかなり古くて広く、マレーシアでも歴史の長いマングローブ保護区だそう。

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政府の管理下にあり、伐採の量が決められていたり、切った分だけ植えるなど、持続的な森林経営がなされてる点で世界的にも有名なマングローブ保護区。環境教育の観点からも今は注目されるようになってきたようで、日本からの訪問客もいるようです。

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かなり広い園内。

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マングローブの種が落ちていました。

 

Charcoal factory

隣の木炭工場では、このマングローブを使ったマングローブ炭で、日本にも輸出されています。昔は日本が経営していて三井と呼ばれていたと友達が言っていたので、戦中に日本人が作った工場のようです。

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車を降りた瞬間の燻された香り、この町中がこの香りに包まれていてなんとなく安心する空間でした。

 

Kampung Sepetangの漁村

そのあとは友達の実家についてから、近所を散策しました。大通りまではマレー系が住むエリアで、そこから道を一本中に入ると中華系の住む漁村が広がっています。ここは海に流れる川の河口付近で、その川を挟んで家が並んでいます。

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川には橋がかかって降り、ここをバイクや自転車がブンブン通っていました。

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ここの家はかなり古く、ほとんどが昔ながらの木の造り。友達の実家も古く、家はシャワーや水洗トイレなどはなく水桶と和式の厠です。びっくりしたのは、水浴び場の排水口(直径約10センチの穴)から下に黒い動く何かが見えた時。つい水浴びしてる状態のまま、見つめてしまいました。ゴツゴツした肌に固そうな5本の爪。動くと背中?もこつごつしてる。これはあれだ、ワニだ。と思ってあとで聞いたらトカゲだよ。と笑われました。確実にワニサイズのトカゲでした。あー面白かった。

 

夕飯は近くのシーフード店で、この辺りで取れる海老や貝も食べました。これが、とってもおいしい!

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朝から往復20キロのハイキングと色々な散策をしたあとだったので、もう最高でした。

 

帰ったあとは疲れた体を休めながら、軒先のベンチでゆっくりしました。田舎だと、こういう軒先にベンチとか座る場所があって、そこで何するでもなくぼーっとしてる人が多いのですが、その光景がなんとも言えず好きです。

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この頃にはもう夜の準備が始まっていました。

 

そのあとは川向こうの友達の友達のお家へ。家の奥は川に面している木の板の上で、漁船がありました。

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シーフードで満腹だったけど、フカヒレのスープをいただいて、これまたすごく美味しかった。

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帰ってから仮眠をとっていると、11時過ぎにはもう花火や爆竹が鳴り出しました。

この辺りは福建にルーツを持つ中国系が多く、旧正月の9日目は、彼らの神様である皇帝神の誕生日。本当の意味での旧正月の始まりだそうで、それを祝う夜、大晦日のような日です。家の前にはサトウキビを両側に立てた祭壇が建てられ、線香が焚かれ、捧げものの食べ物などが置かれていました。

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12時を過ぎると、あちこちで爆竹と花火の嵐。手作りの蓮の花の形をした紙の飾りなどを焼いてお祈りしている人もいました。花火と焚き火は綺麗だけど、爆竹の楽しみ方はよく理解できません。

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やっている人もうるさそう。笑

 

そんなこんなで盛り沢山なタイピン滞在でした。Kuala Sepetangのような町がまだまだあるんだなーと思うと、マレーシアは奥深い。そしてやっぱり田舎が好きだし、タイピンもさらに好きになった。良い滞在でした。

Week1 / ミリ旅行

12日から新学期が始まり、日本語の授業も開始しました。私にとっても配属先の隊員としても「初めての学部授業担当」です。

 

今週は旧正月の前ということで、授業があったのは月曜日と火曜日だけ。私の担当は月曜日の1クラスと、火曜日の1クラスでした。

大学の必修の日本語は1、2、3の3つがあり、3セメスター(1年半)で終了します。学部生は機械、電子、化学の3つの学科があり、学科によって日本語クラスの履修時期が違うため、化学は1、2年で続けて履修し終わりますが、機械の学生は1、3年で履修するなど、少し変なカリキュラムです。(おそらく教師不足でこうなっている)

 

 

月曜日

は、化学の1年生の日本語1のクラスでした。ほぼ全員が初めて日本語を勉強する学生でした。簡単な自己紹介、あいさつ、教室で使う言葉を勉強しました。初めて発音した日本語はどうだったかな?よく発言してくれて、とてもやりやすいクラスでした。1人少し入門を勉強したことのある中華系の女の子がいたので、練習のときに初めに当てて周りの手本となってもらうこともできそうです。

 

火曜日

は、3年生の日本語3のクラスでした。3年生の機械の学生でした。(日本語教師の方なら分かる)「みんなの日本語初級I」の16課、て形まで勉強した学生です。しかし、旧正月の影響か、履修登録期間の影響か、学生が本当は15名ほどいるはずのところ、6名しかいませんでした。予定では16課までの簡単な復習と、17課の導入をする予定でしたが、17課の導入はやめて、はじめの自己紹介に長めに時間をとりました。おかけで、この6名のことはしっかり覚えられたと思います。そのうちの1人は前の学期に同僚の交代で入った授業で教えたことがあり、スピーチコンテストの指導もした学生だったので、1人だけとてもよくできる印象でした。動詞の復習クイズも、3対3のグループ戦にしたのですが、ほぼ1人で完成してしまいました。笑 レベルの差があるときの、ゲームなどの用意は少し考えなければなりません。

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2つのクラスの初回授業を終えて

まだ全員の顔を見たわけではないですが、実際に教える学生に会うとやる気が出るというか、これからがとても楽しみになりました。日本語1のクラスは2クラス担当があるので、来週も初めてのクラスで同じ内容を行います。繰り返せるのは教える上でとてもいい勉強になる。2クラス目の方がきっといい授業になるはず、なるようにしたいですね。

 

新隊員

配属したばかりの後輩隊員も早速担当の授業がありました。見学もできないまま、しかも初回の授業が私の授業と時間が被っていたので、様子も見られませんでしたが、楽しく終えられたようで本人も学生の様子がわかって安心したようで良かったです。

後輩隊員は住まいも近いので、一緒に通勤しています。今までは1人で歩いていた道を、2人で歩いて、入りたかったけど1人では入りづらかったお店にも入れて、また自分の生活も広かっていきそうです。

(いつも通勤で通ってる建物の中にあるチャパティ屋さん、初めて食べたけどおいしい!)

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今学期は学部授業という新たな担当が始まり、最初はどうなることか不安もありましたが、担当できて本当に良かった。UTMの先生との連絡も頻繁になり、授業についての相談も歓迎してくださっていて、いい意味で心配してくれて、可愛がってもらえるような関係性になってきました。今学期が終わる頃にはどうなっているか、楽しみです。その前に自分の担当授業をひとつひとつ丁寧に準備しくこと、でも寝不足にはならないことが目標です。タイムマネージメントを学びたいです。

 

学部授業が主な担当になったことで、準備に手をあまりかけられなくなった課外授業も、同僚であるカウンターパートの先生がしっかり管理、フォローしてくれているので、ありがたく、経験のある先生はさすがだなと思っています。人に恵まれている環境だなと改めて思います。

 

♪ミリ♪

今週末は旧正月のお休みだったので、サラワク州のミリにも行ってきました。シニアボランティアの方のお宅に泊まりながら、隊員5-6人でミリのTusan beach、Niah caveへ行ったり、お寺や中華系のご近所さんのお宅で旧正月の雰囲気を味わいました。

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Tusan Beachの干潮時

 

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Niah cave 入り口から洞窟まで片道3.1キロ、洞窟の中も広いのでかなり歩きました

 

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 ミリ市内にある大きなお寺

 

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ご近所のお茶会に参加

 

自然に囲まれて、安心できる人たちと会って話して、日常から離れてとってもいいリフレッシュになりました。

 

来週も頑張ります!