風邪と優しさの話。
おはようございます!4月、日本の春を感じたいこの頃です。
でも、桜はなくても、常夏でも、自然と4月になると新しい気持ちになりますね。
(日曜日は天気が良くて気持ちよかった!ツバメもぐるぐる気持ち良さそうに飛んでいました)
今週は学期中間休みで1週間学部生はお休み。みんな実家に戻っているらしく、昨日の昼の学食はがらんとしていました。
授業がほとんどないので、今週は自分の時間があって、正直とても嬉しい!
先週までは、次の日の授業準備を前日にするような、余裕のない自転車操業日本語教師でした。毎日バタバタで、詰めたいところを詰められないで授業をやり、不完全燃焼で終わることも多々。
なので、この1週間はとっても貴重です。これまでできてなかった授業の振り返りや、JICAチームで進めている教材作成の作業、来週以降の授業準備の時間に当てられる。やったー。
本当はもっと早くブログを更新するつもりでした。上に書いたことだけ見るとめちゃくちゃ忙しそうですが、実際息抜きもかなりしていたし、忙しさはそこまででもないです。
ただ、ひいてしまったのです、風邪を…。そして全然治らなったのです。
風邪が治ったらブログ書こうと思っていたら、かれこれ3週間経ってしまいました、ぎょえー。常夏なので、ひいたらそれは夏風邪。治りにくいったらありゃしない!
ということで、今日は風邪の間にあった出来事と、優しさの話を。
風邪を引いた
3月13日月曜日。朝起きると微かにのどに違和感。いつも通り大学へ行って、オフィスで翌日の授業準備をしていました。しかし帰る頃になると、体がだるくなり、いつもは6時くらいまでいるところ5時きっかりで帰りました。
日本では風邪は1日あれば治るタイプ。中学高校6年間の皆勤賞は自慢です。
「今日だって大丈夫、明日は大学院生の授業の初日だから、絶対行きたい」
幸い食欲はあったので、しっかり食べて(確かあの日はチャーハンとサラダ)、早めに横になったのです。…が、夜中目が覚めて、熱を測ると37.9度。
翌日14日はやむを得ず欠勤しました。課外の大学院生と、先生方にメールして一日寝ていました。
朝方は休むかどうかで一人でベッドの上で葛藤していましたが、今考えれば、課外の授業だけだったし、熱がある時点で最初から何も悩まずにしっかり休んで早く治すことを考えるのが正解だと思いました。
マレーシアはもともとMC(Medical Certificate)をとって休む人が多いようで、病欠で休める日数もすごく多いみたいです。
次の日は熱が下がっていたので出勤できました。やっぱり元気、健康だけが私の取り柄。…そう思っていたのも束の間、のどの痛み、鼻水、咳が程度を変えながら、2週間ずーっと治らない。
自分のせいでもあります。治ってきた、これはもう大丈夫だと思ったときに、帰国隊員の送別会でのどを潰したり、バルコニーで薄着で涼んだり、休日に山登りしたり(今考えると、だめでしょってつっこみたい(笑))。
13日以来欠勤はせずに済んだのですが、発音に支障が出るくらいの鼻声で授業したりもしたので、学生に申し訳なかった。体調管理もボランティアの大事な仕事。反省しています。
病院へ行った
2週間くらい経った頃に、また微熱が出て、さらに夜中の咳がひどかったので、病院へ行きました。クアラルンプールは恵まれていることに、日本人医師のいる病院がいくつかあります。JICAの医療機関リストをみて一番近いところへ行きました。
ここでマレーシアに来て一番くらいにショックなことがありました。
悪口は書きたくないのですが。。
医師による診察が終わって、ロビーで薬が処方されるのを待っていたら、先程診察してくださった医師が薬剤師のところへ来て、明らかに私に聞こえる距離で、
「咳が止まらないくらいで来る人初めて」
言葉は少し違ったかもしれないけど、そう言いました。
その言葉はぐさりと私の心に突き刺さりました。よく分かる日本語の言葉で。確実に。
今考えると軽い嫌味、全然大したことないのですが、
体が弱っているときに、すがる思いで行った病院だったので、普通にショックでした。その次の週には大事な学部の授業があったからしっかり治したくて、確かに熱はないけど、咳は本当にひどかったから。
「協力隊なのに」とか「MCとるためか」とかそんな言葉まで聞こえてきそうで、また、そんな風に考えてしまう自分さえ嫌でした。
それに反応したかのように、急に咳がこみあげてきて、トイレに駆け込んで5分ほど止まらない咳と戦いました。
やっと出て行ったら、お医者さんは部屋に戻っていました。薬剤師さんも看護師さんも誰も私に一瞥もくれない。
そんな、すごく孤独を感じた出来事でした。
そのあとは薬ももらえたし、割とすぐに開き直れていたのですが、そこでワンモアダメージ。帰りのクリニックの医療費が…なんと!495リンギ。日本円で15000円以上。ただの風邪、普通の診察受けて、薬もらっただけなのに、これは何なんでしょう??そのときはよくわかっていなかってのですが、冷静に計算してみたときはかなりびっくりでした。JICAの共済会のおかげでお金は戻ってくるけれど。
もう何も反応すらしたくなかった私は、さっさとカードで払って、帰りました。
(抗生物質、痰をとる薬、炎症を抑える薬、咳止めシロップ)
言葉って大事。その前にあるべき優しさはもっと大事。そしてお金も大事。
こんなことでへこんでられないし、いい教訓を得られたと思うようにするしかありません。
話を聞いてくれる人がいたおかげで、すぐに立ち直れました。
そして、そんなエピソードも忘れられるくらい、たくさんの優しさにも触れました。
学生からお見舞いをもらった
まず、風邪で欠勤したことを知った学生が、2日後にオフィスへやってきて、
「先生、これ食べてください。油はあまり入っていません。早く良くなってください」とくれた手作りの料理。
(チキンスープと茶碗蒸し)
別の学生は、お見舞いの手紙を書いて、はちみつと一緒にくれました。
(毬の絵が嬉しい)
授業終わりに、大丈夫ですか、と声をかけてくれる学生もいれば、Hope you get well soon. とメッセージを送ってくれる学生もいました。
大学は本当に優しい人ばかりで、幸せです。
言葉は人を傷つけもするし、救いもする。言葉を扱う仕事をする立場としても、一人の人間としても、大事なところに触れられた数週間でした。優しさに触れると自然とそれに返したくなるものです。今は受けた分の優しさを、授業で、日本語で返していきたい。そんな気持ちです。
風邪で終わった3月
大事な教訓と、温かい気持ちと、若干の咳と一緒に4月を迎えました。
まだまだ経験も知識も足りないですが、先週までのバタバタがハタハタくらいになって、少しは学生のためにできたなーという達成感を得られるように、今週は準備に勤しみたいです。
あ、今私は元気です!風邪の間もしっかり食べていたし、毎日鼻をかむのと咳をするので腹筋がだいぶ鍛えられた気がします。(笑)
皆さんくれぐれも体には気をつけて。
それと、ポカリにはだいぶお世話になりました。大塚製薬さまさまです。
それでは!