2017/2018 sem2の感想
今週で1学期間担当した必修の日本語授業が終わり、今学期の山を越えました。
今学期は新しくボランティアが必修の授業を担当することになり、昨年とは内容、使う時間、関わる人、全てにおいて活動がガラッと変わったものになりました。毎週5種類のクラス(日本語1、日本語3、大学院、N4、N3)+隔週の2種類のクラス(会話クラス、インターンクラス)はさすがに欲張りすぎて、準備が追いつかないこともあり、やりきったと言えない部分もありますが、全部やりたかったことなので後悔はありません。なんとか無事終われたのも、いつものように頼りになるカウンターパートの先生がいてくれたこと、馴染みの先生と同僚に相談させてもらったこと、そして新しい後輩隊員2名が頑張ってくれたおかげです。
この1学期は、大学生に対する学生指導とは何か?ボランティアの役割とは何か?そんなことを考えさせられる場面が多かったです。
特に1年生の学生たちは子供と大人の中間のような年齢で、遅刻や欠席に関してこちらが口酸っぱく注意するべきなのか難しいところでした。欠席についてあとでクレームを言われた時の証明になるように警告書を渡すなど、教師の責任と学生の責任というものが、日本とは少し違うのかなと思ったりもしました。教師が厳しくなることが、逆に学生に対して甘くなる(自分で考える機会を奪う)結果になっている気がしました。
授業にだんだんついて来られなくなった学生には、本当に難しい理由(媒介語の問題、健康上の問題)がある人と、授業をサボったりとやる気のない学生とがいて(だいたい後者)、そのどちらにも、そしてもちろんやる気があってよくできる学生にも、なるべく良い結果になるように対応していかなければならない。これは必修ならではの難しさかなと思います。ともかく一番は日本語を楽しんでもらうことを考えてきたので、それだけは伝わっていればいいなと思います。
日本語がみるみるうまくなっていく学生の成長を見て嬉しくなったり、上手に嘘をつく学生やカンニングの多さにがっかりしたり、遅刻や欠席の理由に呆れたり、遅れ気味だった学生が個別の補講で日本語に興味を持ってくれるようになったり、いつもサボっていた学生が最後はちゃんと立派なロールプレイを準備してきたことに安心したり…と、喜怒哀楽の学期でした。
これまで配属先にはずっと組織や人間関係の課題があり、今回必修の授業が持てたことそれ自体は私たちが配属先の日本語教育を知る上で素晴らしい進歩ではありました。しかしこの役割がボランティアがやることとして適切なのかはやはり疑問があります。
そもそも今回私たちが授業を受け持つ事になったのは、教師不足の問題があったからです。本来なら新しい先生を雇うべきところを、無給のボランティアがいるから任せられたらラッキーと、声がかかったのでした。2年でいなくなるボランティアで今をつなぐよりは、ちゃんと教師を雇って継続的に日本語教育をしていくべきことは誰でもわかっているはず。でもやっぱりお金が問題なのです。
また今回必修を受け持ったことで学生に関わる機会は増え、ボランティアとして全体の日本語学習の底上げには少しは役立てたかもしれません。しかし必修のクラスに重心を置くことになったことで、本来ボランティアに求められているはずの、本当に日本語を学びたい意欲のある学生に対する支援があまりできませんでした。
欠席の多い学生のために警告書を作る時間が、日本への就職を目指す学生のレジュメをチェックする時間より優先されている状況でした。(私のタイムマネジメントの問題かもしれませんが…)
配属先と学生の未来のための正しい選択、ボランティアの関わり方についてらこれからしっかり考えていかなければいけません。
いろいろなことがあった4ヶ月間でしたが、一番良かったことは、たくさんの日本人の方に活動を見てもらったり、学生と交流してもらえたことです。日本語を教える人はいても、自分が繋げられる今ここでの縁は今ここにしかないからです。
来てくださった東大の学生の皆さん、筑波大の実習生の皆さん、マレーシア、タイ、ラオスのボランティアの皆さんには本当に感謝しています。
そしてなんだかんだ問題はありますが、授業で学生と接している時間は本当に楽しくて、学生がこちらの気持ちに応えてくれたときの感動は、どんな疲れや辛さよりも勝るものだということも感じました。そんな教師という仕事の楽しさもたっぷり味わいました。かわいい学生たちに感謝です。
また今学期は常にせわしい状態ではありましたが、ミリ、タイピン、ゲンティンハイランドやインドネシアのリアウにも行けて、各所でそれまでの疲れを癒し、自分の世界だけで凝り固まった頭を解放することができて良かったです。友達もたくさん来てくれたので、また少しKLについても詳しくなりました。
これから一時帰国までの2ヶ月半の目標は、残りの授業を続けながら上に述べたような今学期の反省を一つずつしていくことと、先延ばしにしてきた語学の勉強に取り組むこと、落ちた体力を取り戻していくことです。笑
まずは少しだけリフレッシュしに約5年ぶりのクチンに行ってきます!