11月を終えて
だいぶ期間があいてしまいました。もう師走です!相変わらず日々バタバタしたり、だらだらしたり、考え事したりして過ごしています。
11月はジャパンデーが終わってからもいろいろなことがあったので、そのうちのいくつかについて書きます。
そして最近考えていることや思ったことひとつかふたつ、ちゃんと整理したいので、このあとで書こうと思います。
JB訪問
先々週の週末には、ジョホールバル(JB)にあるマレーシア工科大学のメインキャンパスへ行きました。JBはマレー半島の南、橋を渡るとシンガポールの国境の州です。先輩隊員がもうすぐ帰国なので、大学在学中に実習でお世話になったK先生や知り合いの方々にご挨拶するのが目的でした。JBへは5年前実習で初めて訪れた後も私は何回も遊びに行ってますが、先輩は7年ぶり。
広大なキャンパスで有名なUTM JB。
キャンパス内にある大学のホテルから先生のオフィスまで歩いて40分でした。筑波大を凌ぐ広さ。馬もいる。
大学のモスク。人生で初めて見たモスクかも?夜は光ってさらに綺麗。
約5年前の実習で来たときに、大学2年生だった私が初めて教壇で「日本語を教える」経験をした教室。日にちと曜日、〜から〜までを教えたのを思い出す。懐かしい。
今回は短時間でしたが、お世話になった人たちと久しぶりに会ってご飯を食べることができました。K先生とも貴重な意見交換ができ、活動に関わる相談もできました。直接話すことって本当に大事、特にこの国では…。初心も思い出せた、良い訪問でした。
JFKL訪問
国際交流基金クアラルンプールに行きました。たまたま今月はいろいろと重なって4週連続。1週目は中上級の授業見学のために、2週目にはJICAボランティアの日本文化の会として、3週目は学生と一緒に図書館訪問で、4週目は日本語教師向けのセミナー参加で行きました。もともと日本語専門家の先生の何人かとはお話ししたことがありましたが、この数回の訪問で今まで機会のなかった文化事業担当の方や日本語パートナーズ担当の方、図書館のスタッフさんたちともお話しすることができました。受付の方とも顔見知りになりました。行くのに交通が少し不便なので、個人的に行くことはなかったけど、毎回行くたびにいろんな情報が得られるし、教師としても日本文化に関しても勉強になることばかりで、もっと近かったらいいのに〜と思います。
2週目の日本文化の会での訪問。雑誌や日本語教材が豊富。
3週目の学生との訪問。和室に関する説明を受けているところ。
定期的に日本語教師向けのセミナーなどを行なっていて、参加すると他の機関の先生に会えるのでとても良い機会です。また1月に参加する予定です。
日本語ビジネスプレゼンコンテスト
4週目のJFKLのセミナー終わりに先生方と一緒に、ブキビンタンでやっていた、日本語ビジネスプレゼンコンテストを見に行きました。A to Z language schoolというKLで有名な日本語学校が主催するコンテストで、審査員には日本大使館や日本企業関係の方々。優勝者は日本行きの往復チケットと賞金がもらえます。ビジネスなので参加者は皆さん上級レベル。観覧していた日本人から「日本語母語の自分でもこんなプレゼンできない」という声が聞こえてくるほど、上手なプレゼンが多かったです。働くとは何か?、仕事をする中で感じたこと、日本での経験、自分の夢などを話していました。会場はホテルの中で、100名ほどが入れるところでしたが、立ち見が出るほど賑わっていました。
優勝したのはマレーシアのパナソニックで働くマレー系の女性でした。スピーチコンテストではなくプレゼンコンテストなので、聴衆を納得させる、巻き込む力が必要なのかなーと思いました。とても面白かったです。
大学院の歌の授業
大学院クラスで歌を教えました。教えましたといってもただ一緒に歌っただけですが。歌はauのCMで使われ、紅白にも出場した浦島太郎(桐谷健太)の「海の声」。協力隊の同期にはわかると思いますが、二本松での訓練の時に体育隊員のフラの講座で踊ったので、懐かしい思い出の曲。このクラスはひらがなもまだ書けないくらいの初心者クラスですが、この曲はテンポもゆっくりだし、海、空、風、山、川、太陽など、自然に関連する言葉が勉強できていいなと思ったので、あとは私自身が大好きなので選びました。あまり時間がなかったけど、歌詞を見ながら通して歌えました。また、良い歌ですねと言ってくれた人もいました。次回先輩隊員の担当回でもう一度練習があるので、また一緒に歌うのが楽しみです。
書道イベント
先週の木曜日に、日本文化サークル主催の書道のワークショップがありました。以前から書道のイベントがやりたいという希望があり、書道が得意な学生が企画して(一度延期になりながらも)実施に至りました。私はアドバイザーという形で関わりました。参加者は約20名でした。
初めの2時間で書道の説明と練習をし、1時間で作品を作り、審査をするという流れ。今回参加者には小筆をプレゼントするということで、そのまま小筆での練習と作品作りとなりました。あまり経験がなかったけど、小筆って難しい。
企画した学生が事前に選んできた題材は
「人生楽ありゃ苦もあるさ 涙の後には虹も出る」
水戸黄門 !どうしてこれを選んだの?と聞いたら、たまたま見つけた、と。意味がわからないので教えてくださいと言われました。笑
よく見るとなかなかいい題材。ひらがなと漢字がバランス良く、漢字も難しすぎない。作品はこの文章を自分の好きなレイアウトで書くというものでした。
ある単語だけ大きく書く人、絵を描く人、紙を横に使う人、創意工夫があって、面白かったです。
JLPT
この日曜日に日本語能力試験(JLPT)がありました。それに向けて、ジャパンデー後くらいからは、課外クラスは対策や模擬テストのためにいろいろと準備や相談にのってきました。模擬テストやってるときは教師は楽できるんですけどね。
私はN5とN4のクラスを担当していて、N4は来年の7月をめざしているクラスでしたが、12月も受けるんですという直前のカミングアウト、今回なんとか合格したいと言う学生もいて、いやいやそんな数週間でできるもんじゃないから…と思いつつ、できる限りのアドバイスや教材の紹介などはしたつもりです。今学期クラスを始める前は、ただの対策クラスにしたくない、学生が話せる機会を作って、継続的に日本語を勉強できるようなクラスにしたい、と思って始めましたが、やっぱり直前になると試験対策で余裕もなく、それに学生のモチベーションが一番高いのは直前だと改めて感じました。前からもっと授業に来てよ…と思ったりもしますが、一生懸命な姿勢にはなんとか応えたい。でもやっぱり付け焼き刃ではダメで、計画的に勉強しないと受かるのは難しいし、受かったとしても身にならない。
学生が話す機会を…というのは理想ですが、試験対策のクラスで、まず教師の役割として一番大事なのは「ペースメーカー」であることだと思いました。もちろん、学習を継続するモチベーションの維持も大切で、話すことが楽しさや学習のモチベーションにつながってくれたらいいなぁ、と思いますが、それは教師のエゴかもしれません。
試験結果は来月。もちろん受かっていたら嬉しいですが、今学期受けた人がまた来学期継続して勉強してくれたら良いなぁと期待しています。
というわけで11月はいろいろなことがありました。長かった。
授業もイベントもいろいろやったし、外にも出たけど、達成感は50%くらいでしょうか。
いろんなことがありすぎて、中途半端になってしまった所もたくさん。ひとつひとつをもっと大事にできたら、得るものももっと多かったろうなと思ってしまいます。
例えば書道。学生と事前に打ち合わせしていて、英語でやり取りするのですが、たまにうまく伝わらない時がある。私もやり取りに疲れて、わかったわかったと言ってしまったり。確認すべきことを怠ったり。
例えばJLPT。いつものことながら授業準備が直前になってしまいます。学生のためにできること、もっとあったんじゃないかと思う。先ほど書いた、ただの対策クラスにしたくない、という初心も忘れがちで、つまらない授業もやりました。残りの授業や来学期は反省生かして良い授業にしていきたいと思っています。