3週間経ちました
最近雨の多いクアラルンプールですが、雨が降るのは大体夕方。朝はすっきりとした空が見られることもあって、家から望める朝の空はとてもきれいです。東向きの家でよかった。毎朝日の出を見るのが日課になりました。
(寝室の窓から見える朝の風景、これで7時過ぎくらい、朝が遅い)
こんばんは。
赴任して3週間、前のブログからも3週間経ってしまいました。
新しい環境での3週間なので毎日いろんなことがあったけど、ようやく落ち着いてきました。
3週間の中であった次の3つのことについて、
・授業見学
・大学で1番日本語のできる学生との出会い
・日本からの学生との出会い
そして
・4週目の現在と来週からもつ授業について
書きたいと思います。
授業見学
日本語の授業自体を見ることが久しぶりだったので、日本語教育の世界ただいま!な感覚でした。それからは毎週3回ほど見学させてもらっています。
(授業の様子)
カウンターパートの先生が授業で使う言葉は半分くらいが英語。それを見てしまうとこれから自分が英語ができるのか心配になる。まぁ日本語だけでも授業はできるので、自分は自分の方法でやっていきたいです。学生はみんな真面目に授業を受けていて、でも全体的にシャイな印象。発言しやすい雰囲気づくり…楽しい授業…話したくなる授業…を念仏のように頭の中で唱えながら自分の授業について考えています。
授業自体の感想は、書くと細かくなるので、日本語教師の人ならわかることを言うと、ずばり「まるごと」の楽しさと難しさとすごさ。2時間で学生がその課の項目がすらすら話せるようになるのは、見てるだけで達成感があるしとっても嬉しい。
これからやるせてもらうクラスも1つは「まるごと」使用なので、うまくいってもいかなくても、楽しみだしいい経験になりそうです。
大学で1番日本語のできる学生との出会い
2年生の中に1人、すでにN1(日本語能力試験の一番上のレベル)保持者の日本好きな中華系の学生がいます。
マレーシアの大学入試は、統一試験の成績と希望で大学が決まるのですが(政府が決めるため、学生の希望と全く違う学部になることも)、その学生は、分野は関係なく日本が好きだからという理由だけでこの大学を選んだらしい。実際のところは、大学に入ってから期待通りでないこともあるようだけど。彼の日本と名の付くものへの興味はものすごくて、1年生で日本サークルを立ち上げたり、スピーチコンテストで優勝したり、奨学金をもらって日本での短期研修に参加したりと活躍中。今ではサークル長や、広報誌の編集長や、なんとかアドバイザーやらなんやらたくさんの肩書きを持っている学生です。
赴任2日目の日に、先輩隊員が彼を私に紹介してくれました。その頃何も分からなかった私は学生とのつながりが欲しかったし、また彼も新しく日本語が話せる相手が来て嬉しかったのか、ほぼ毎日オフィスに寄ってくれるようになりました。
その学生のおかげで大学のこと、授業のこと、学生生活のこと、サークルのこと、先生のことをかなり知ることができた。あまり一人の学生に頼りすぎてはいけないと思うときもあるけれど、きっとこれからもお世話になるでしょう。彼のやる気を生かしつつ、無計画に突っ走りすぎるところをうまくなだめつつ、周りの学生との関わりや仕事の割り振りを考えながら、学生皆と一緒に何かできたらと考えています。
日本からの留学生との出会い
配属先の大学には、数週間から1年といった様々な単位のプログラムで、日本からも学生が来ているそう。オフィスにもいろいろな日本国内の大学の部屋があって、今私の部屋の向かいには山口大学のオフィスができたりしています。
2週目の木曜日、先程の日本語のできる学生に誘われて、学生寮の近くで開かれている夜市に行きました。
(夜市の様子)
そこへ一緒に行った1人の日本人学生。2月からマレーシアに来て3月末までいるという某私立大学の4年生。その学生も私も、お互いMJIITに来たばかりでひとりぼっち(日本人学生が今ほとんどいない時期)ということで、初対面にも関わらず学生をおいて話しまくる。笑
大学のこと、マレーシアのこと、就活のこと、将来のこと。心の中ではさらに、この学生の年齢の時自分は…とか、協力隊として今ここにいる自分のこと、その学生の歩んでいくであろう道、いろんなことを想像していました。例のごとく。
他人と自分を比べる、比べたがり人間です。それで落ち込むこともあったし、それが嫌でなるべく比べないようにと思ったりもしたけど、最近は単純に人の人生を知ること、そして自分の人生を顧みることって大事だなーと、まだネガティブな感情を伴うこともあるけど楽しいなーと思えて、今回も最終的には今の自分は幸せだと感じました。自分の周りには素晴らしい人はごまんといて、その人たちを尊敬し、自分の人生にも満足できればそれでいいと思うのです。
今の環境で、それほどストレスを感じているとは思っていなかったけど、同年代の日本人に会った瞬間ぽろぽろと話したいことが出てきて、それは向こうも同じだったらしい。話すことでそれまでの不安や整理できていないことを消化していく、それが母語でできる安心感。コミュニケーション、大事ですね。
世界中にいる協力隊員の中には、なかなか日本人と話す機会がない人もいるでしょう。現地に溶け込んで生活している人はかっこいいですが、きっとそれだけ伝わらないことやもやもやを心の中に溜め込むことも多いはず。たまには母語でのコミュニケーションの力に頼ることも必要だと思うし、私も自分から声をかけたいなと、今回のことを通して思ったのでした。
4週目。今やっていること、来週から始まる授業について
そうこうして、だんだん周りの状況が理解でき、生活リズムも整ってきた4週目です。
赴任して、何をすればいいのかおろおろしていた2日目に、先輩隊員から「ここで何かやりたいことないの?」という質問を投げかけられ、(状況が分かってないからやりたいもなにも、具体的にすぐに言えないし!!…とは言えず)すぐに答えられなかった悔しさから、1週間目でやりたいことリストを作り、それをぼちぼち進めています。
(日本文化の紹介?)
(お絵かき?)
(これは…?笑 ポスターは学生作成)
活動はできる限り学生主体にしたいので、あくまで私はただの仕掛け人として。まだまだ途中でうまくいくかわかりません。でも何事も楽しみながらやっていきたいですね。
そして授業。見事に1か月無かったのですが、来週から授業をもてることになりました!まだ学部の授業の情報は来ないので、今の所ですが、2クラス×週3コマ、計週6コマを担当する予定です。どちらも課外授業で、単位は無し。
1つは大学院生のクラスで、前学期に選択授業として開講されていた会話中心のクラスの続きを、希望者を募ってやらせてもらいます。
そしてもう1つは、7月にある日本語能力試験(JLPT)のN5(1番下のレベル)を受ける人向けのクラス。今募集をかけていて、最大20名のところ、15名くらいは埋まってきてます。
そう、ここに来て驚いたのは、課外の授業を自由に作れるということ。作れるというか、学生が個人的に来て「先生、N5の授業をお願いします」という風に依頼してきます。学生と時間を調整して、他にその時間で参加したい人を募ったり募らなかったりして(教師次第)、 教室を確保したら、授業開始。
私のN5のクラス以外にも、先輩隊員とカウンターパートの先生はN4のクラスをを2つずつ持っています。
課外ということで、単位もなければ評価もないので、何もかも自由!自分の好きなように進められるし、成績をとるための責任感もないので気持ちとしてはとても楽です。もちろん能力試験の学生たちのN5合格という目標には責任感じるし、そうじゃなかったとしても一生懸命やりますが、初めて担当させてもらう授業としてはとても嬉しい条件です。
授業は始まってみないと分からないけれど、今のところN5のクラスは全員マレー系。大学院生のクラスはマレー系と中東からの留学生。
課題は非漢字圏の学生たちにどうやってたくさんの語彙を教えていくか。
マレーシアでは、日本語の学習はやはり中華系の学生が圧倒的に有利で、マレー系の学生はどうしても遅れがちになります。今回私がもつクラスは、中華系が混ざっていないので、ゆっくりマレー系の学生の進度に合わせて時間をとることができる。
マレー系と中華系の学生の混ざったクラスを教えるというのも、マレーシアでの日本語教育の難しさであり、やりがいかもしれません。
長くなりました。3週間も溜めてしまった自分のせい。笑
とりあえず今は来週の授業に向けて、教案作りに励みます!
(母が送ってくれる実家の猫の写真に癒されながら。)
おわり