Marina’s blog

マレーシアの大学で日本語を教えている協力隊のブログです

おすすめPodcast 「バイリンガルニュース」

今日はPodcastの「バイリンガルニュース」という番組について書きたいと思います。

バイリンガルニュースについては、周りの親しい人にはちょっとずつおすすめしてきたけど、こうやって改めて書くとなるとちょっと緊張。

なぜならこの約4年間、ほぼ毎週聴き続けているこの番組は、わたしの習慣であり、生活の一部であり、おそらく思考や生き方にもかなりの影響を受けているからです。

私のバイリンガルニュースとの出会いは2013年の10月。休学してクアラルンプールに住んでいた時、英語の勉強になるものを探していて、開いてみたPodcastで見つけたのがバイリンガルニュースでした。その頃は周りでも知ってる人は誰もいなかった。最近は知ってる人が増えてきて、一ファンとしてとても嬉しいです。

 

バイリンガルニュースとは?

f:id:Sakutaro10:20170818223320j:image

バイリンガルニュース (Bilingual News)

バイリンガルニュースは、アメリカと日本のハーフのマイケルと日本人のマミ、一般人であり大学のときの友人である2人が2013年に始めたPodcast番組です。

バイリンガルニュースでは日本語と英語でニュースを紹介しています。そのあとにマイケルは英語で、私(マミ)は日本語で、バイリンガル会話形式でコメントしていきます。」毎回の最初にいう番組紹介。この通り、毎回5〜6個世界中のニュースを紹介して、それについて2人が話す番組です。マイケルは基本的にずっと英語で、マミは日本語多めで会話をするので、最初聞くと自然ではないと思うかもしれないけど、私はもう完全に慣れてしまいました。

たまに特別編があり、バイリンガルのゲストを呼んでのフリートークが行われます。2人の友人や、リスナーから紹介された人が出演します。過去には歌手や俳優などの有名人、科学者なども多数出演していて、ライフストーリーや専門的な話が聞けてとても面白いです。前にブログに書いた水中表現家の二木あいさんも、バイリンガルニュースのゲスト回で知りました。

 

バイリンガルニュースの魅力

この番組に出会っていいなーと感じたのは、取り上げるニュースの面白さと、2人の考え方や意見の鋭さ、そして番組自体のゆるさ。私は初めて聞いてから1ヶ月でそれまで更新されていたエピソードを全部聞いてしまいました。

その頃はまだマイケルの言ってることはほとんどわからなかったけど、それでもマミの使う日本語の文脈から判断したり、繰り返し聞いたり、聞き流したりしながら2人の会話を楽しんでました。

 

バイリンガルニュースを聞いてから考えさせられたことをいくつか挙げたいと思います。

 

①言語は手段、学習はモチベーション

日本人は英語ができないとよく言われます。使う環境がないからしょうがないこと。私も、なんで中学から何年も勉強してるはずなのに喋れないかな…と思っていた。でもバイリンガルニュースの中でパーソナリティの2人や番組に来るゲストの英語についての話、勉強の仕方を聞き、日本人の英語に対する意識や自分の英語に対する向き合い方を考えるきっかけを得られました。言語は教室の勉強だけで得られるものではない。使わなければ上達しないのに、恥ずかしさが邪魔をする。そもそも日本人は「アメリカやイギリスの英語しか本当の英語じゃない」と思ってる人が多いのではないでしょうか。しかし実際は、アジアでもアフリカでも英語さ話されています。ここマレーシアも英語使用率の高い国、人によっては文法めちゃくちゃ、時制も人称も関係なく使う人もたくさんいる、でもみんなそれでコミュニケーションをとっているし、恥ずかしいとかできないとか思っていません。伝えるための手段だから。

日本人が「できるようになったら披露しよう」と思ってしまうのも、なかなか上達しない一つの原因だと思います。英会話学校に通って上手になったら披露しよう、今はまだできないから友達の前では話したくない。という人もたくさんいると思います。私もそうでした。間違うのが怖くて、そもそも英語になると話したいことが出てこなかった。

恥ずかしい→話せない→文法書で勉強…話せないという負のスパイラル。

私も英語はまだまだですが、なるべく英語のできる友達と話す時間を作っています。クアラルンプールでは言語交換のイベントも毎週いろんなところであります。日本にもきっとあるはず。この友達の言っていることを理解したい、自分のことを伝えたいというのはやっぱり最高のモチベーション。(目標言語を話す恋人を作るのが一番早い道!笑 これは国際カップルの友達を見ててすごく思う。)

バイリンガルニュースを聞きはじめた頃はマイケルの言っていることを理解したいというのが学習のモチベーションにもなりました。聴き始めて1年くらいでTOEIC600点台から800点台に上がったのもきっとモチベーションという点でバイリンガルニュースのおかげだなと思います。

ちなみに言語学習に関する話は、吉田研作教授の回がおすすめです。

バイリンガルニュース (Bilingual News): 68. 吉田研作教授 02.24.14

 

②英語で情報を得られるということの大切さ

日本語には訳されていないニュースや記事が世界中にはたくさんある。この情報が欲しいのに〜と日本語で探していても全然出てこないものが、英語で探したらじゃんじゃんでてきたり。

あとはバイアスがかかっている文章。日本は報道の自由があると思っている人もいるかもしれないけど、実際はものすごく偏った内容の情報だけが流れている場合もある。

逆に言えば、日本に関してもリアルなことや情報を知りたかったら、やっぱり日本語で調べないとちゃんとした情報が得られないな、というのもよく思うことです。世の中の優しい人が、日本語や日本文化について丁寧に英語で説明してくれているサイトもあるけど、十分な理解のない人が英語で説明しているものもある。学生と話してると、いったいどこでそんなデタラメ読んだの?!というような話をしてくる人もいます。笑

日本にいれば日本語だけで生きて行けるし、みんながみんな英語ができなきゃダメとは全く思わないけど、世界に視野を広げるとき、英語ができたら情報量は雲泥の差。

いろんな言語で、いろんな立場の人の、いろんな意見を情報として得られるということは本当に大事だなと思いました。

 

③タブー視されがちなことを議論することの大切さ

バイリンガルニュースは広告をつけていません。そもそもお金儲けのためにやっていない。そして2人は名前以外の個人情報をほとんど公開していない。そのため言いたいことが自由に言えるというのがこの番組の良いところです。

タブー視されるようなこと、政治的な話も、性の話も、なんでも取り上げて、ときに面白おかしく、ときに真面目に話す。だからPodcastにも「EXPLICIT」(教育的でない内容が含まれていることを表す)マークが付いていました。

典型的なのは、性病の話など。本当はもっと誰もが知っているべきことなのに、なかなか気軽に話せないから、理解が進まない。女性にとって身近なPMS(生理前症候群)も、知らない人さえいると思います。知っていれば楽になるのに、なんで私こんなにイライラしてるんだろう…と悩んでる女性も多いはず。マレーシアでも、たくさんPMSや生理痛で会社休んでますよ。

 

④数年先を生きる人の話を聞くことの大切さ

英語の学習に役立つこと、世界のニュースを知れることに加えて、それ以上に私がバイリンガルニュースを聴き続ける理由は、なによりマミとマイケルが好きだからです。考え方が自分にとって新鮮だったり、すごくしっくりくるものだったから、聞いていて心地よく、うんうんと思う時もあれば、へー!という驚きもあるし、いつも考えさせられることだらけ。もちろん、全ての意見に納得できるわけじゃないけど、2人は自分でも言ってるようにリベラルな考え方をもっていて、二人の言い方や話の展開の仕方からも、意見は違っていて良いんだ、と安心できる。そしてこれは私からの見方になりますが、同じ女性であるマミの生き方からいろんなヒントをもらっています。マミは今30歳。自分より少し年上の人の考えることや悩みを聞くのは、すごく参考になります。

ちょうど今日は、マミの不妊治療のインタビュー記事があがってました。いつか自分や自分の友達が関わるかもしれない話をマミを通していつも予習している感じです。

女性だけの問題ではない。意外と身近な「不妊治療」、専門家とオープンに話してみた。 - About All About

 

何が言いたいかというと、とにかくバイリンガルニュースが好き

お分かりの通り、相当バイリンガルニュースが好きな私です。留学当時、帰国してから大学の卒論テーマを、バイリンガル会話形式の学習の可能性についてやろうかと思ったくらい。教授に反対されてやめたけど笑

それから4年間ほぼ毎週聞き続けています。ダウンロードして飛行機の中で聞いたり、長距離バスの中で聞いたりすることもあります。

2人が超険悪ムードな回も、マミが2ヶ月休んでいたときも、週2回から1回になったときも、爆笑問題カーボーイに出た時も、全部聞いていたので、今振り返るとひとつひとつがが懐かしいし、それぞれのエピソードを聞いていたときの自分のことも思い出します。

マミのコラムもずっと読んでいるし、Tシャツも持ってるし、ツイッターとインスタグラムもバイリンガルニュースの情報を得るために始めたし、スクリプトアプリを使うために、AndroidからiPhoneに替えたりもしました。(今はどっちでも利用可)

好きな番組だからこそ、他の人にうまく伝えられるか自信がなく、この話をブログでするのもちょっと躊躇いました。でも、ただ私がこの番組が好きで4年間聴き続けているという事実だけでも知ってもらえたらと思いました。

 

文字起こしのアプリもあります

バイリンガルニュースの回し者ではありませんが笑、アプリについても紹介したい。番組自体はもちろん無料ですが、バイリンガルニュースのアプリで、全ての内容の文字起こしと2人が書いたエッセーを月額240円で読むことができます。たまに内容がわからないときはそれを見ながら聴いています。単語を調べたり、保存、クイズでチェックしたりできる機能もあるので、多読や語彙学習にもおすすめです。いつも読みながら、コスパすごいなーと思っています。

 

バイリンガルニュース、こんな人におすすめします

英語(日本語)勉強したい人、ちょっと時間があっていつもと違う世界のニュースを知りたい人。あと科学好きな人は多分興味の持てる話も多いかもしれない。VRとか人工知能とか、宇宙の話とか恐竜の話とか多めです。私も全然興味ない話だと集中力が切れるときもあるけど。笑 新たな世界に興味を持つ機会になることもあります。

そしてハマってくれた人には、過去のエピソードの中から、途中トイレに立つマイケルや、宅配便のピンポンの音、救急車の音が入り込んでる回も見つけてもらいたい。笑

昨日配信されたエピソード278も、最初謎の爆笑から始まっていて、リスナーとしてはこういうところにほっこりする。

 

そんな、ゆるくて、適当で、愛着の湧いちゃう大好きな番組、大好きな2人です。

おすすめです。

 

 

〈追記〉

マレーシアのサラワク州森林伐採についてもエピソード256とそのあと何回かで紹介されています。これは日本の住宅関連企業がサラワクの木材を輸入することで大きく加担してしまっている問題であること、東京オリンピックの新国立競技場の建設にも使われる可能性がある(使われている?)こと、それについて国際社会から非難されていること、それが日本ではあまり報道されていないこと(住宅関連企業とメディアが結びついているから)などについて話しています。ぜひぜひ聞いて欲しいです。

バイリンガルニュース (Bilingual News): 256. バイリンガルニュース 03.16.17